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第1回「気軽に室内楽」

2002年6月16日(日) 開演14:00  会場:宇部市立図書館2F


宇部市民オーケストラ団員による室内楽のコンサートです。

満員御礼!お越しいただき、ありがとうございました

宇部市民オーケストラ

第1回「気軽に室内楽」

20002.6.16(日) 午後2時

於:宇部市立図書館2 F

演奏者:宇部市民オーケストラ団員

入場料:無料

<演奏曲目>

ベートーヴェン「七重奏曲」より

Vn安永 Va稲垣 Vc栗林 Cb藤野 Cl磯谷 Fg小林 Hr柳井

モーツアルト「フルート四重奏曲」より

Fl竹本 Vn笹本 Va濱野 Vc大森

ウェーバー「クラリネット五重奏曲」より

Cl向山 Vn黒田、清水 Va大石 Vc大森

打楽器アンサンブル(曲目未定)

Perc高杉、山元、岡崎

チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」より

Vn 安永、 笹本、 黒田、 在田、 清水、 近藤、 山本、 山崎

 Va濱野、市本、稲垣 Vc栗林、大森、藤野 Cb藤野、八木

主催:宇部市民オーケストラ 共催:宇部市教育委員会

後援:宇部時報社、ウベニチ新聞社

お問合せ:佐藤クリニック内 宇部市民オーケストラ事務局 電話32-7500

室内楽の愉しみ

 ー宇部市民オーケストラ 第1回「気軽に室内楽」演奏会に寄せて     

                        団長 佐藤育男

 このたび宇部市民オーケストラは室内楽に初めてチャレンジします。中・高校生の皆さんにもぜひ聴いて貰いたくて宇部市教育委員会と共催にさせて戴きました。入場料は無料です。

 ところで、オーケストラの団員が室内楽を演奏する‥このことに違和感をお持ちになる方もおられるかもしれません。しかし、けっしてそのようなことはありません。

その証拠に、オーケストラの名門ウィーンフィルハーモニーは、一八四二年の創立以来、各パートのリーダーによって多くの弦楽四重奏団、弦楽五重奏団、管楽合奏団が作られてきました。室内楽団の宝庫と呼ばれる所以です。例えば、弦楽四重奏団は初代コンサートマスターのロゼー、その後はブッシュ、シュナイダーハン、バリリ、ボスコフスキー、ヴェラー、ヘッツエル等の歴代コンサートマスターの率いるカルテットがレコード史を飾る名演奏を残しています。最近はキュッヘル、ヒンク、ホーネッカーらのカルテットがそれぞれ活躍中です。彼等は皆同じような音色やフレージングを持つため、オーケストラ演奏においても室内アンサンブルを大きくしたような精緻で美しい音色を奏でます。

ベルリン・フィルやほかのオーケストラも程度の差こそあれ同様です。

 わが宇部市民オーケストラも設立3ヵ月目にしてアンサンブル大会を開きました。当時のインスペクター(練習の総責任者)である澤氏の提案でした。新年会での余興のつもりもあったと彼は言います。新しく集まった団員はお互いの名前やパートがわからず、ましてや腕前さえも知らない者同士でした。まずは親睦を兼ねた余興が必要だったのです。音が少々外れようが(お酒のせいにして)楽しめばいいじゃないか、弾いた人には賞品を出すから、という訳でした。しかし、実際やってみると親睦以上に音楽的成果があったのです。演奏したグループは皆レベルが高く、聴く側も驚きました。以来、アンサンブル大会は合宿や忘年会での恒例行事となりました。このことが宇部市民オーケストラ演奏に大きな力となっています。

 さて、演奏曲目はベートーヴェンの七重奏曲、モーツアルトのフルート四重奏曲、ウエーバーのクラリネット五重奏曲、打楽器アンサンブル、チャイコフスキーの弦楽セレナーデと皆様にも馴染みのある名曲ばかりです。いずれもアンサンブル大会で団員が楽しみながら演奏した曲です。

 七重奏曲はベートーヴェンが若いときに作った曲で、「娯楽作品はこれでおしまい」と言ったとか。その名のとおり弦4本管3本の心から楽しめる作品です。私事で恐縮ですが私の最も回数を多く聴いた曲でもあります。この曲を境にしてアマチュアが楽しみながら弾く作品はなくなっていきました。名手シュパンツイッヒの率いるカルテットでさえ演奏には至難を極めたといわれるほど一切の外的制約を無視しなければベートーヴェンの理想は表現できなくなってしまったのでしょう。次のフルート四重奏曲は、当時音程がモーツアルトには不満だらけだったこの楽器の欠点を見事にカバーした作品です。アンリ・ゲランのエッセイ「モーツアルトとの散歩」のなかに「この曲は長調でありながら爽やかな悲しさがある」という一節がありますが、これが小林秀雄の言う「疾走する悲しさ」のヒントになりました。どの楽章のどの部分に悲しさがあるのか、ぜひ聴いてみて下さい。クラリネット五重奏曲は、モーツアルトやブラームスの五重奏曲と並ぶ傑作です。クラリネットという近代楽器の機能が十二分に発揮された名曲ですが、三十数年前、当時医学部の学生だった加藤紘山口大学学長(現宇部市民オーケストラ後援会長)の名演奏を思い起こす方も多いことでしょう。テクニックの冴え、緊張感あふれる弦との掛け合いが見事でした。チャイコフスキーは、数ある弦楽セレナーデのなかでも際立って美しい作品です。もともと室内楽は、2、3名から十名程度の奏者によって演奏されるので指揮者は必要ありませんが、今回は指揮者を立てるかもしれません。実は、この曲、「気軽に室内楽」という題目に反して規模が大きいため管弦楽曲の範疇に入っておりまして、十数名での演奏はアンサンブルが難しいからです。しかし、フィナーレを飾るにふさわしい華やかな曲なので、宇部市民オーケストラの弦セクション精鋭による素晴しい演奏を期待しています。それでは、皆様のお越しをお待ちしております。六月十六日の午後二時、図書館でお会いするのを楽しみに。

ウベニチ 2001.6.1(土)掲載記事より


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